かみやんの技術者ブログ

主にプログラムの話です

モータドライバ、完成!(設計が)

無事、NANDを使ったPWM信号1本化した回路がブレッドボード上で動いた。

ついでに、今日、パワートランジスタが届いたので交換。交換するだけでそのまま動いた。

これは便利。

NAND回路ですが、下記のような感じ。

左側がマイコン側、CW(クロックワイズ:時計回り)とCCW(カウンタークロックワイズ:反時計回り)が正転、逆転ようの信号線、PWMがPWMパルス用の信号線。右側がFETのゲートへ。

ポイントは、NANDの出力は、P-MOSFETハイサイド)のゲートへつながっていて、P-MOSFETは、ゲートがLowのときにON、ゲートがHighのときにOFFとN-MOSFETと逆なのでNANDのNOT部分が必要となる。

バーニング宮田さんのモータドライバでは、P-MOSFETのHighとLowの反転に信号用N-MOSFETをつかっているが、NANDで反転させているためこのFETは不要となる。

パワーFETは、千石電商で買えるもの、または、若松通商からデータシートを片っ端からダウンロードして探した。

  • N-MOSFET:STB100NF。Vdss=40V、Id=120A、Pd=300W、Rds=0.0043Ω
  • P-MOSFET:2SJ464。Vdss=-200V,Id=-12A,Pd=150W,Rds=0.064Ω

選定基準は、

  1. 定格電圧15V以上。モータ用電源が7.2Vなのでその倍。
  2. 定格電流が13A以上。マブチモータ 540の最大効率電流が6.3Aなのでその倍。
  3. 許容損失が90W以上。モータの電流6.3A x 電圧7.2V=45W。なのでその倍。
  4. 5V駆動可能。マイコンのHigh,Lowで直接駆動したいので。

という感じ。2SJ464の定格電流が-12Aなんで上記、定格電流13A以上を満たしていませんが、ま、それでも倍のバッファを見てということだし、そこいらのモータドライバはもっと小さいFETをつかっているのでOK。

マイコンから直接パワーFETを駆動していいものか、もしくはNANDの出力で直接パワーFETを駆動してよいか検討してみた。

データシートで入力容量をみると、2SJ464が、2900pF、STB100NFが5100pF。大きい方の5100pFで検討。

マイコンからとれる電流を50mAとする。STB100NFのゲートに入れる抵抗は100Ω。STB100のCiss(input capacitance)は、5100pF。

容量=電流・秒より(昔、静電容量(F)は、1秒間に1A流したときに流れる電子の量と聞いたことがあるので、左記でいいんだよな)

s=C/I=0.0000000051F/0.050A=0.000000102sec。102n秒。
PWM信号の周期は、10kHzぐらいがいいらしいので、周期は、周期=1/10000Hz=0.0001s。100u秒。デューティ比の調節の分解能を100とすると1単位=100u秒/100=1u秒。
1u秒の矩形波のうち10%ぐらいが欠けるぐらい。ま、そのままでいいや。
100分解能の1単位で10%欠けるというのは、たとえば、ソフトウェアで「モータAへ1%のパワーで正転!」と命令した時に、実際には0.9%ぐらいしかパワーが伝わらないということ。(実際には、FETの抵抗や元々のスイッチングのターンON時間やターンOFF時間があるのでもっと誤差がある)

ブレッドボード上だけど、全部の素子を自分で決めてデータシートをみて調達して組めるようになりました。
これで「マブチ540でも燃えないフルブリッジ・モータドライバ完成!」(やった!)
試しに作ったフルブリッジ多々、使わないことになったFET多数、FETの原価だけで15000円ぐらい突っ込んでいる気がする。完成品のモータドライバボードが買えるじゃん。って感じですね。
やー、でも自分で設計したので、うーん応答性能が悪いなとか高周波時の特性がよくないなとか、何か問題が起きても自分で解決できそう。

思えばブレッドボートを買ったのは非常によかった。これで1素子ごとの小さな回路を作って素子の特性が非常に感覚で、体でつかめるようになった。

次は、EAGLEでパターン作成(回路図は書いてある)。これまたEAGLEもコツがいろいろいるんだよなぁ。研究中。